私が住んでいる地域では、毎年10月になると大きなお祭りがある。その日だけはいつもは停車しない特急列車が街の駅に停まるので、いつもとは違った賑わいを見せる。テキ屋はもちろん、地域に住む有志も色々なお店を出したりしているので、それらを見ているだけでもとても楽しい。我が家の子供たちも射的やスーパーボールすくいなどでテンションが上がりっぱなしだ。
そんなふうにブラブラとお店散策していると、カメすくいのお店を見つけた。息子がやってみたいというので、洗濯ばさみに挟まれたモナカらしきものを受け取った。いけんじゃね?という期待も虚しく、カメの重さに耐えきれず、というか水につけた時点でモナカが水に溶けて餌と化していく。あぁ~…思わず残念無念な声が私達だけでなく、見ていた観客からも上がった。息子は悔しそうに「カメ飼いたかったのに」とむくれてしまった。
我が家はアパートだから犬や猫は飼えないけれど、カメくらいならいいかと、祭り帰りのその足でホームセンターに行き、一匹のカメを購入したのだった。カメを飼うのは初めてだったので、店員さんのアドバイス通り、カメの水槽、ヒーター、ろ過機などを購入した。それらの器具を入れるにはある程度大きめの水槽を購入する必要があったため、家に帰って飼育環境を整えてからカメをそこに入れると、器具の方が大きくてカメの存在感が圧倒的に小さいのが何だか笑えた。何はともあれ、その日から家族が増えたのである。
とても食欲旺盛なカメで、ガラスの水面のところに指を置くと、餌と間違えて口をバックンバックン開ける姿がとても可愛い。ところがある日、ガラスの水槽にヒビが入っているのを発見してしまった。今のところ水漏れはしていないようだけど…。可愛いカメちゃん、だけど臭いが結構すごいので、水漏れしたら大惨事になってしまいそうだ。そうなる前に、ガラスケースを買い替えなくては…と思っている。